布と記憶のはざま展
展示
アートギャラリー
2026年06月18日(木)
私にとって、着物を素材として扱うのは初めての試みでした。着物という存在を前にしたとき、これまで扱ってきたどんな素材とも違う特別な手触りを感じたのを覚えています。本展で扱った着物は、すべて地域の皆さまから譲っていただいたものであり、長い年月、箪笥の奥で静かに眠っていた一枚一枚には、かつての持ち主と過ごした時間が、たしかに織り込まれていました。
着物を解き、布へと還し、新たなかたちへと組み直す。その過程で私が向き合っていたのは、布そのものであると同時に、そこに宿る誰かの記憶でもありました。
かつて誰かの暮らしを彩った布が、新たなはじまりを迎える。その姿が、皆さまにとって身近なものとの付き合い方を見つめ直す、ささやかなきっかけとなれば幸いです。
最後になりましたが、着物をご提供くださった皆さま、そして私を迎え入れ支えてくださった HARIMA AIR 運営メンバーの皆さまに、心より御礼申し上げます。
Kan46